漆芸の沼

漆風呂の作り方


アブラ


一般的に「漆が乾く」と、言いますが
厳密にいえば「酸化重合」
と呼ばれる方法で硬化反応が起こって
います

油絵具が固まるのと同じです。

長い間、台所のおそうじを怠ると
油汚れがなかなか取れない💦
なんて経験はありませんか?

調理に使うサラダ油も
酸化重合で固まってゆきます


油には、常温で
「早く固まる」
「ゆっくり固まる」
「ほぼ固まらない」
などの種類があります

サラダ油は、油絵具や漆よりも
固まるスピードが遅いのです


常温で液体のアブラを“油”
常温で個体のアブラを“脂”
と書きます

漆は“天然樹脂”というアブラです


漆風呂


さて、漆というアブラを固める設備を
“風呂”と言います

目的によって
理想的な温度湿度は違いますが、
漆が順調に固まる条件は
気温23~28℃
湿度60~70%です

漆は、20℃以下では
硬化に時間がかかり、
14℃以下では固まらなくまります
酵素/ラッカーゼが不活性化するからです

博多漆芸研究所がある福岡県では、
4~10月頃なら
漆は常温で硬化します


しかし、11~3月の寒い季節、
乾燥ぎみの季節は
環境を整える必要があります。



段ボール風呂

湿度のコントロールは
比較的容易です。

自宅で制作したい!
という方は、
段ボール風呂がカンタンです




その他の風呂

上記の方法でも硬化しないなら
気温が低い可能性が考えられます

気温の低い季節は制作しない
または
ヒーターを使う方法があります

ヒーターを使う際は、
湿度に耐えられる装置を選び
漏電対策が必要です


そのようなことをしなくても
「なぜか乾く」
不思議アイテムがあります


茶箱(ちゃばこ)です

  ↑楽天市場の検索結果↑



お茶を運ぶための
内側がブリキ貼りの木箱です


理由はわかりませんが、
茶箱に入れると、
真冬でも漆がかわきます


メルカリでも見つかるかもしれません

大きさが様々ありますので、
購入される際は、
寸法にお気をつけください