漆芸の沼
![](https://hakatashitsugei.jpn.org/wp-content/themes/hakatashitsugei-theme/_assets/img/sub-visual/school.jpg)
油紙
サランラップや
ビニール袋のかわりになるものを
探していました
パラフィン紙は良さそうだけど
「パラフィンワックス」は石油製品
だし…
布製のミツロウラップは用途が
限られそう・・・
などと考えていたところ
先日、受講生さんが油紙で作品を
包んでいたのを見て
「そうだ!」と、
油紙を使い始めたところ
良い感じです
まずは漆を塗る刷毛
菜種油を含ませて保管するので
サランラップを使っていましたが
油紙だと
このとおり、見た目も美しい!
![サランラップのかわりに油紙で包んだ刷毛](https://hakatashitsugei.jpn.org/wp-content/uploads/2020/12/20201219_073431115_iOS-1024x1024.jpg)
それから
ウォーターサーバー横のゴミ箱
![教室のウォーターサーバーとゴミ箱](https://hakatashitsugei.jpn.org/wp-content/uploads/2020/12/20201224_015830114_iOS-621x1024.jpg)
ティーバックから水気が出るので
中にビニール袋を入れていましたが
油紙を底面に仕込んでおいたところ
漏れませんでした
![ゴミ箱の底に油紙を敷いた](https://hakatashitsugei.jpn.org/wp-content/uploads/2020/12/20201224_020012481_iOS-940x1024.jpg)
少量の水分なら大丈夫
![ゴミ箱の底に油紙を敷いたらビニール袋のかわりになった](https://hakatashitsugei.jpn.org/wp-content/uploads/2020/12/20201224_015906119_iOS-999x1024.jpg)
その油紙、
平成生まれの石橋先生は
「どこかで見たことある」
昭和世代の自分には
「子供の頃あるある」です
お医者さんへ行くほどでもない傷
だけど絆創膏ではパワー不足の場合
リバガーゼという家庭薬で
処置しました
黄色い液体にガーゼが浸されており、
傷口にそれを貼って雑菌の増殖を防ぐ
というもの
液が滲まないように
リバガーゼの上に油紙をかぶせて
包帯で巻きます
兄弟が「痛いよ~」となり
母親がリバガーゼを取り出した時は
重大事件発生モードです
うやうやしくピンセットでガーゼを
つまみ出し、ピトッ と貼る瞬間
冷たいのと、傷口に触れる圧とで
「いたたたた!」
一呼吸置いて
油紙を被せると
「もう大丈夫」という気がして
ホっとします
かくして油紙は、
薬箱の中に無くてはならない存在
だったのです
現代も外科的用途で使われ
日油というメーカーで作られています
![日油 油紙](https://hakatashitsugei.jpn.org/wp-content/uploads/2020/12/20201219_073240338_iOS-1024x1024.jpg)
封を開けると独特の甘い香り
紙に亜麻仁油をしみ込ませてあります
亜麻仁油は和傘やエジプトのミイラ
製作にも使用され、
防カビ・防腐・撥水効果があります
![日油 油紙 注意書き](https://hakatashitsugei.jpn.org/wp-content/uploads/2020/12/20201219_073330143_iOS-1019x1024.jpg)
ある程度は空気や水分を通しますので
刻苧や錆の保管には向きませんが
ミツロウラップと違って薄いので
使いやすいです
![日油 油紙 中身](https://hakatashitsugei.jpn.org/wp-content/uploads/2020/12/20201219_073419802_iOS-1024x1024.jpg)
今回は楽天市場で購入しましたが、
少量パックはドラッグストアなどでも
入手可能
工房にも余分にストックしております
ので、購入希望の方はお声がけくだ
さい
ところで最近、
Netflixで
「ブロークン 危険な商品」
#まやかしのリサイクル
という番組を見ました
使い捨てプラスチック製品が
安価に流通しているのは
販売価格に廃棄コストが入っていない
から、ということを知りました
言い換えれば
廃棄コストを販売価格に含まない
という、欠陥システムが原因で
使い捨てプラスチックが安易に使われ
ている
・・・ということになります
そして、
それらが「ゴミ」になった後は
自治体が税金を使って処理しています
プラ製品が安いおかげで利益が膨らむ
企業が負担しないのは釈然としません
ここ数年、中国に続きアジア諸国が
先進国からのゴミ受け入れを停止
しています
日本のゴミは、
中国に大量に受け入れてもらうことで
処分体系が成り立っていました
そうして、今
私達がぼんやりと期待しているような
“リサイクル”は
一部でしか行われておらず
自治体が苦慮の挙句、焼却している
のが現実です
過去に投稿した
#脱プラスチック の時も
プラスチックゴミを減らす必要性に
ついて考えましたが、
こうなると
出口のゴミ処理問題も去ることながら
入口の購入・使用を減らす工夫が
先決だと思いました
環境省や経産省が推している
3Rと呼ばれる
*リデュース(減らす)
*リユース(再利用する)
*リサイクル(再生する)の中でも
「リデュース」がトップに来ています
教室や工房では、
できる限りプラスチックを
リサイクル可能な紙や
自然素材に置き換えています
方法やアイテムを探しながら
ロールプレイングゲームの
ように楽しみたいと思います