漆芸の沼

漆掻きに行ってきました!

佐賀県鳥栖市の萬歳寺には、
ウルシノキがあります。

普段は渡邉さんがメンテナンスをされていますが、
漆掻きシーズンになると、有志が集まって漆掻きをしています。

昨年の漆掻きの様子はこちらでお読みいただけます。

昨日、石橋先生が早起きして行ってきましたよ♪

涼しいうちに、
ということで 朝8時集合⏰

昨年掻いた上方を削ります。

漆掻きシーズン は6月から10月頃ですが、
最も樹勢のある今の季節に採れる樹液を
盛り辺(さかりへん)と言い、
最高品質の漆になります。

日当たりの良い場所で育った木は、
種をたくさんつけていました。

今年は種を採取するために、
種を多くつけている木からは掻かない方針。

近隣種のハゼと似た種。

五月頃に咲いた花がこのようになります。

黒っぽい外皮をむくと
中に小さなソラマメ形の種子が出てきます。

この種子は蝋(ワックス)に包まれているため、
このまま播いても発芽しません。

鳥さんが食べて消化すると蝋が溶けて
プリッ
とした場所で発芽🌱

近くにライバルが殖えないように
設計されているんですね~

ところで、この蝋、
石油製品が普及する前は
ろうそくの原料に使われていました。

九州では筑後のハゼ蝋が有名ですね。

ハゼは中国原産ですが、
中世に博多の商人が日本列島に持ち込んだのだそうです。

ウルシ蝋はベージュ色ですが、
ハゼ蝋は白いです。

江戸時代、ハゼ蝋のほうが市場価値が高く、
全国に先駆けてハゼを入手した九州勢は
ウルシノキからハゼノキに植え替えてしまったのでしょう。

そこのところが、
九州の漆器産地が少ない理由だと
考えられます。

さて、本日は
採取した漆をいただくことができました。

採ったばかりの漆を
粗味漆(あらみうるし)
と言います。

木の屑など不純物が入っていますので、
漉す必要があります。

漆の一滴 血の一滴
と、学校で教わりました💧
(酒の一滴 血の一滴 とも💦)

さておき、
一滴残らずこそげ取ります。

チューブに入れます

できあがり!

記念すべき 令和元年産生漆です♪

翌日に硬化して、このようになりました。

ナヤシ・クロメをしていないので、
艶はありません。

思っていたより赤みがあるな~。

チューブに入った漆は
計ったら3gでした。

漉紙が吸ったぶんが惜しいですね。
漆の貴重さが身に染みました。

さて、何に塗ろう?